【角形フィルターレビュー】KANIフィルターチャレンジセット
北海道美瑛富良野で風景撮影をしています^^
そして角形フィルターのヘビーユーザーであり、KANIとH&Yの二刀流です。
そんな僕が初めて購入したのがKANIフィルターチャレンジセット。
今も頻繁に使っています。
この記事では、二刀流だからこそわかる「チャレンジセットのメリットやデメリット」などを赤裸々に解説しています。
そんなわけで、さっそくレビュー記事がはじまるよ!
【北海道美瑛町のフォトグラファー】 地元LOVEのフォトグラファー。北海道美瑛富良野をメインフィールドに、毎日のように自然風景を撮影する美瑛町民です。写真を通じて、この地域の持つ魅力を発信し続けています。地元をこよなく愛する丘のまちびえいファンガイド。 インスタグラムはこちら→tomoki_biei
ツイッターはこちら→@tomoki_biei
KANIフィルターチャレンジセットの外観・付属品
セット内容(最新モデル) | |
角形フィルター | Premium Soft GND 0.9 100x150mm |
ホルダー | HT3 100mm Filter holder* |
CPL | Premium CPL filter 100-82 for filter holder* |
ステップアップリング | 67mm→82mm、72mm→82mm、77mm→82mm |
KANIフィルターチャレンジセットは、「まずはKANIの角形フィルターシステムをためしてみたい」という風景撮影向けに販売する、最低限の内容で価格を抑えたセットです。
※僕が持っているホルダーとCPLフィルターは1つ前のモデルです(HT2 100mmホルダー+CPL)。
これから購入する方にわかりやすいように、本記事ではすべて最新モデルの型番(HT3 100mmホルダー+CPL)を記載していますので、ご了承ください。
【保存版】風景撮影におおすすめのKANIフィルターセット7選
関連
角形フィルター:Premium Soft GND 0.9 100x150mm
「Premium Soft GND 0.9」は、ハーフNDフィルターのソフトグラデーションです。
ソフトで0.9(ND8)のハーフNDですので、最も汎用性が高く扱いやすいと言えます。最初の一枚に向いているフィルターですね。
注意点は、ガラス製であること。つまり割れる可能性があるので扱いは少しデリケートです。
ホルダー:HT3 100mm Filter holder
※動画は1つ前のモデルです(HT2 100mmホルダー)。
ホルダーの溝にフィルターを入れて使用します。
このホルダーはとても脱着がしやすく、扱いやすくてGOODです。
CPLフィルター:Premium CPL filter 100-82 for filter holder
CPLがセットになっているのも重要な点です。ハーフNDで輝度差を抑えながら、反射を切ったり、色を鮮やかに出してくれます。
水辺や青空の撮影に効果を発揮してくれるので、CPLがあるとなしでは表現の幅が変わりますね。
https://youtu.be/p10-NhnTN40
ハーフNDの内側にセットして、ホルダーのギアを回して調節します。使いやすいです。
ステップアップリング:67mm→82mm、72mm→82mm、77mm→82mm
67mm、72mm、77mm、82mmのレンズ口径で使用可能です。
例)82mmのアダプターリングに、67mmのステップアップリングを装着。これで67mmのレンズで使用可能です。
セットするまでの流れ
セット内容をそれぞれ見てきましたが、全体の流れを見て見ましょう。
これがチャレンジセットの概要です。
KANIフィルターチャレンジセットと他社フィルターの比較レビュー
← 表はスクロールできます →
製品名 | |||||
価格 | 38,300円 | 44,536円 | 52,800円 | 13,990円 | 28,552円 |
メーカー | KANI | H&Y | Cokin | K&F | LEE |
セット内容 | ・ソフトGND8 ・ホルダー ・CPL ・アダプター リング |
・ソフトGND8 ・ホルダー ・CPL ・アダプター リング |
・ソフトGND8 ・ホルダー ・CPL ・アダプター リング ・アダプターリ ングキャップ ・クロス |
・ソフトGND8 ・ホルダー ・アダプター リング |
・ハーフND 0.6ミディアム ・ホルダー |
対応口径 | 67,72,77, 82mm |
67,72,77, 82mm |
72,77,82mm | 49,52,58,62, 67,72,77,82 |
× アダプター リング別売 |
← 表はスクロールできます →
各社の角形フィルター初心者向けセットをピックアップしてみました。
結論からお伝えすると、KANIかH&Yがおすすめで、K&Fもありかなと。
他のKANIフィルターセットとの比較はこちら↓
初心者におすすめしないセット
CokinとLEEは初心者にはおすすめしません。
Cokinはキャップやクロスなど、「最低限必要なもの以外」も入っていて価格が高く、アダプターリングも一つ少ない点で割引きです。予算がある方はいいですけどね。
LEEは、アダプターリングが別売りなのが大きなマイナス。CPLもなく、ハーフNDも0.6と濃度が薄く、あらゆる点で使い勝手が悪いです。
K&F ソフトGND8セット
CPLがセットに入っていないものの、アダプターリングが8枚もあるのでAPS-Cでも使えますね。
そしてなんと言ってもダントツの低価格。「ハーフNDってどんなもんなのか、とりあえず使ってみたいな」という方は全然ありだと思います。
H&Y K-series Basic Set かKANI チャレンジセットがおすすめ
K-series Basic SetとKANIチャレンジセットは内容は同じです。
セット内容はほぼ同じで、価格はKANIの方が安いです。KANIの方がコストパフォーマンスには優れますが、両者は明確な違いがあるので、自分に合っている方を選択すると良いです。
大きな違いとして、
- H&Yはホルダーを取り付けたあとが楽
- KANIはホルダー取り付けまでが楽
ということが挙げられます。
ホルダーの構造が大きく違います。
つまり、
- ホルダーの付け替えが少ない方はH&Y
- 付け替えが多い方はKANI
をおすすめします。両方使ってみてそう思います。
脱着の様子も見てみましょう。
比較すると、脱着のスピードが全然違うのがわかると思います。
僕は付け替えが多いタイプなので、KANIの方が断然楽なんです。
付け替えが少ないタイプの方は、パチパチと簡単に運用できるマグネットフィルターは楽なんですけどね。予算がある方はホルダーをもう1個買うという奥の手もあります。
こんな感じで、脱着が多い方がH&Yを使うと、ストレスが大きいと思います。
そしてそして、両者はホルダー以外にも特徴の違いがあるので挙げておきます。
- H&Y:マグネットシステム
- H&Y:ゴリラガラス
- KANI:ラインナップが豊富
- KANI:商品リリースが多い
KANIのホルダーは本当に素晴らしいのですが、H&Yのゴリラガラスも初心者には魅力的です。
H&Yはマグネットシステムが注目されますが、僕は「マグネットもいいけど、ゴリラガラスが快適でいいわ〜」と感じました。
ガラスは割れるリスクがあるので取り扱いに気を遣いますが、ゴリラガラスはあまり気にせずわりと雑に扱えるのがとても楽でした。初心者は扱いやすいと思います。
- KANIはデリケート。
- H&Yは雑にいける。
姉妹サイトに「H&Y K-Series Basic Set」の詳細記事があります。興味がある方はご覧ください。
H&Yの素晴らしい点をお話をしましたが、このメリットを裏返せば「KANIのデメリット」が見えてきます。
ということで、KANIの「ラインナップ」と「改善力」が素晴らしいという話の前に、KANIのデメリットをお伝えしておきます。
- ホルダー装着後の操作がH&Yに劣る
- フィルターの扱いに気を遣う
①ホルダー装着後の操作がH&Yに劣る
パチパチと付けたり外したり、フィルターの操作はH&Yが早いです。
KANIはホルダーの溝にフィルターを差し込みますが、溝が3つあり、違う溝に入ってしまったり、フィルターの調整に少し強めの力がいるのでスピード感はやや劣ります。
②フィルターの扱いに気を遣う
H&Yより割れるリスクがあるということです。
角形フィルターを使ってみるとわかりますが、ちょいちょい他の機材などにぶつけたりすることがあって、その度にヒヤリとします。
H&Yは頑丈なゴリラガラスである上に、フレームが付いていて保護されています。KANIはガラスがむき出しなのでやはりH&Yよりは気を遣いますね。
あと、ガラスを直接触るのでH&Yよりは指紋がついたり汚れやすいです。でも、コーティングがしっかりされているので、そもそも指紋や汚れがつきにくい製品ではあります。
以上がデメリットです。
そしてKANIの素晴らしい点(メリット)です。
- ラインナップが豊富
- 商品リリーズが多い
チャレンジセット自体のメリットとしては、すでに「フィルターの脱着が早い」とお話ししました。
さらなる特徴としては、「ラインナップがとても豊富」。僕がKANIフィルターを購入したあと、どれだけの新製品が出たか数え切れません。
奇抜でマニアックな商品も多いので、見ていて面白いですね。
続いて「新商品リリースが多い」という点もあげました。僕はインスタグラムをフォローしているので、「新製品が出ました」というアナウンスをよく目にします。
新商品だけでなく、改善もよく見られます。ご紹介したチャレンジセットのCPLとホルダーもユーザーの意見を取り入れて新しいモデルになりました。
しかも僕が不便だなと感じていた部分をしっかり改善してきたのです。素晴らしいです。
CPLが不要なときも当然あるのですが、旧モデルだとCPLを外すのが超手間でした。
それを改善し、
- CPLが付いているアダプターリング
- 付いていないアダプターリング
と、2つ用意して、なんとお値段据え置きというサプライズ。
この動画で詳しく解説されていますので、興味がある方はどうぞ。
とまあ、こんな感じで日々改善を繰り返す企業姿勢が特徴的です。
長々とレビューしてきましたが、
という結論に至っています。
【保存版】風景撮影におおすすめのKANIフィルターセット7選
関連
KANIフィルターチャレンジセットでの作例
まだ薄暗い時間帯なので、ハーフNDを使わなければ手前がすべて黒つぶれしてしまいます。
早朝の撮影では必ずと言っていいほど使用します。
ハーフNDはこういう撮影が大得意です。
太陽を入れるような撮影は、0.9のソフトフィルター1枚では減光しきれないことが多々あります。
最初はSoft GND 0.9だけで頑張っていましたが、あとからDual Purpose GND 0.75を買い足して撮影した写真です。
まずはPremium Soft GND 0.9で撮影してみて、必要なフィルターを買い足すのが良いかなと思います。
これも手前が潰れるか、空が白飛びします。
初心者時代はハーフNDの存在を知らず、豪快に白飛びさせていましたね(^^;)
ハーフND最高です。
tomokiの体験談
ここまで、KANIとH&Yの二刀流で角形システムを運用してきた僕の経験を交え、レビューをしてきました。
「あれ?フィルターの性能の話がないじゃん。」と思った方もいると思います。
その理由は、ほとんど差がないから。
実際、H&Yさんに聞いた話ですが、高級フィルター同士の比較はほとんど差が出ないそうです。
僕のこれまでの運用経験からもそう思いますし、どちらのフィルターも性能には満足しています。
ですから、性能面はさほど気にせずに選択して良い。というのが僕の意見です。
初めてハーフNDフィルターというものを知ったとき、KANIチャレンジセットを見つけて「めちゃくちゃ高い!」と単純に思いました。
でも、こうして他社のフィルターの特徴や価格の相場なども一通り把握してみると、KANIは性能よくコストパフォーマスにも優れていると思います。
僕はKANIを買ってしばらくしてからH&Yを購入しました。評判通りH&Yは優れたフィルターシステムでしたが、だからと言って、「最初からH&Yにしとけばよかった」なんて思いは1ミリもありません。
どちらも高性能で素晴らしいです。ぶっちゃけ、「二刀流を推奨したい」というのが正直なところです。笑
それは多くの人に現実的ではないのでさておき、おそらくKANIを買って後悔することはないと思いますので、ぜひ検討してみると良いです。
ハーフNDを使うと写真が劇的に変化します。多くの人にその感動体験を味わってほしいですね。
あ、あとKANIフィルターを買った人は、KANIフィルターのフォトコンテストに参加してみるといいですよ。
個人的にとてもおすすめです^^
KANIフィルターチャレンジセットレビューまとめ
- ホルダーが最高
- 他社製品と比較して優れたセット内容
- 扱いにはそこそこ気を遣う
- 実はコスパよし
- 商品ラインナップと改善力が隠れポイント
高性能で意外とコスパも良いKANIチャレンジセットでした。
個人的にはホルダーの快適さが抜群な上、フィルター性能も文句なしですので、良い買い物になると思います。