【安い中望遠レンズ】Canon EF70-300mm F4-5.6 IS II USMを徹底レビュー
そんな方向けに記事を書きました!
- 1年以上使用した筆者のレビュー
- レンズのメリット・デメリット
- シグマ70-200他との比較
などなど
ぜひ参考にして、良い選択をしてください。
【北海道美瑛町のフォトグラファー】 地元LOVE♪北海道美瑛町で年間250日以上、自然風景を撮影しています。この鬼撮影により数ヶ月の間に写真が急激に上達。その経験をふまえ、「風景写真初心者がうまくなるためのポイント」をブログ記事に変換して発信しています。 インスタグラムはこちら→tomoki_biei
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【買ってよかった】Canon EF70-300mm F4-5.6 IS II USMレビュー
隠れLレンズ
神レンズ
の愛称を持つCanon EF70-300mm F4-5.6 IS II USM。
『価格が安く、高速AFで、Lレンズ並みの描写力』
このような素晴らしい評価を得ているのが理由です。
実際に使ってみても、満足度の高い良いレンズで気に入っています。
レンズ運用状況
- Canon EOS 5D Mark IVに装着
- 風景撮影のメインレンズとして使用
- 標準レンズ、広角レンズと合わせて3本で風景撮影
- 動物撮影のセカンドレンズとしてもたまに使用
- 早朝や夕方の薄暗い中での撮影も多い
こんな感じで運用したレビューです。
まずはレンズの概要から。
Canon EF70-300mm F4-5.6 IS II USMの【レンズ概要】
レンズ構成 | 12群17枚 |
---|---|
絞り羽根枚数 | 9枚 |
最小絞り | 32〜45 |
最短撮影距離 | 1.2m |
最大撮影倍率 | 0.25倍(300mm時) |
フィルター径 | 67mm |
最大径×長さ | 約φ80mm×145.5mm |
質量 | 約710g |
手ブレ補正効果 | 4.0段分(CIPAガイドライン準拠) |
搭載テクノロジー
- UDレンズ
- ナノUSM
- リアフォーカス
- IMAGE STABILIZER
- フルタイムマニュアル
なんと言っても、「ナノUSM」の搭載が最大の売りです。
この小型USMが高速でスムーズなAFを実現してくれました。
僕はLレンズの「EF100-400mm F4.5-5.6L IS II USM」も使用していますが、風景撮影においては、ほとんどAF性能が変わらないと感じています。
AFは動き出しが早く、”スッ”とピントが合ってくれるので、ストレスがありません。ここ大事ですね。素早く「スッ」と動き出してくれるハイレベル感。「カタン」と動き出すレンズもありますので。
また、UDレンズの採用により、描写力はおおよそズーム全域で、中心部だけでなく周辺部まで十分なレベルで解像してくれます。特に望遠域は強いです。
それだけでなく、新品でも5万円代という低価格っぷりが素晴らしい。
Canon EF70-300mm F4-5.6 IS II USMの【外観】
Lレンズではないので、見た目は真っ黒のレンズボディー。シンプルでシュッとしていて、逆に好きです^^
質量710gという軽さもgood。僕は重たいLレンズも使っているので、「軽い中望遠って最高だな」と思いながらいつも撮影しています。
特徴的なのが、液晶画面。MODEボタンで3つのモードを切り替えられます。
表示しないこともできるので、僕は普段、表示を切っています。
ただひとつ面白いなと思ったのは、この「焦点距離表示モード」。画像では、300mmと表示されていますよね。
「いやいや、その上にレンズにも300って表示されてるじゃん。表示する必要あるの?」というツッコミを入れたくなりますが、実はAPS-C機に装着すると、35mm換算で表示してくれるのです。
唯一おもしろいなと思った機能でした。おそらくこのためにあるんでしょうね。APS-C機に装着するなら良いのかもしれません。
レンズ側面にはフォーカスモードスイッチがあり、ここでAFとMFを切り替えます。
その下にはSTABILIZARスイッチがあり、手ブレ補正のONとOFFを切り替えられます。
手ブレ補正効果は4段分。ミラーレスの補正効果にはやや劣りますが、しっかりと望遠撮影をサポートしてくれます。
被写体が静止しているのか?流し撮りをしているのか?などもレンズが判断して最適な補正をかけてくれます。
反対側にはズームリングのロックレバーがありますが、使っていません。
インナーズームではないので、鏡筒が伸びます。最大でこんな感じになります。ちなみにこのレンズには、レンズフードが付属してきません。
別売りのレンズフードを付けるとこんな外観になります。こうして見ると大きく見えますが、実際はそんな感じはしないです。
むしろ、手持ち撮影ができるズームレンズとしては軽量・小型と言えるでしょう。
他のレンズとのスペック比較
Canon EF70-300mm F4-5.6 IS II USM。を含めた6種のレンズスペック比較は以下の通りです。
← 表はスクロールできます →
製品名 | TAMRON SP70-200mm F/2.8 Di VC USD G2
|
TAMRON 70-210mm F/4 Di VC USD |
TAMRON SP 70-300 mm F/4-5.6 Di VC USD |
|||
価格 | 51,000円 | 129,800円 | 146,025円 | 115,022円 | 39,800円 | 235,800円 |
焦点距離 | 70-300mm | 70-200mm | 70-200mm | 70-210mm | 70-300mm | 100-400mm |
明るさ | f4-5.6 | f2.8 | f2.8 | f4 | f4-5.6 | f4.5-5.6 |
フィルター径 | 67mm | 82mm | 77mm | 67mm | 62mm | 77mm |
質量 | 710g | 1,805g | 1,500g | 848g | 760g | 1,570g |
長さ | 145.5mm | 202.9mm | 193.8mm | 176.5mm | 145.2mm | 193mm |
手ブレ補正 | 4段 | 5段 | 5段 | 4段 | 4段 | 4段 |
← 表はスクロールできます →
Canon EF70-300mm F4-5.6 IS II USMの特徴をまとめるとこんな感じです。
- 比較6種で最軽量
- 唯一の液晶付きモデル
- 中望遠レンズとして低価格
- 純正レンズとしても低価格
やはりコストパフォーマンスに優れたコンパクトな純正レンズであるのがわかります。
ここで考察しておきたいは次の2点です。
- 重さ
- 明るさ
①重さ
僕は意外だなと思いましたが、Canon EF70-300mm F4-5.6 IS II USMと、SIGMA 70-200mm F2.8 DG OS HSMを比較する人が多いようです。
表を見るとよくわかりますが、スペックも価格もけっこう違うレンズなんですよね。
シグマの方が大きく、重く、明るい。Canon同士でいうと、比較表のEF70-300とEF100-400を比較しているような感じです。
僕は比較表のEF100-400も持っていますが、あまり風景に使わない理由は重いからです。
②明るさ
正直、Canon EF70-300mm F4-5.6 IS II USMは、ボケ撮影には少し弱いです。
こんな感じで、「綺麗に背景ボケしたお花を撮りまくりたい!」と考えている人は、F2.8の明るいレンズのほうがおすすめです。
ちなみに僕はこういった花の撮影頻度は少なく、撮るとしても別のF2.8のレンズで撮ります。
中望遠では絞る撮影が8割以上なので、多少暗くてもほとんどデメリットになりません。
つまり、撮影の仕方次第で、デメリットがデメリットにならなかったりしますので、自分の撮影スタイルを把握した上で選ぶのが重要だと思います。
Canon EF70-300mm F4-5.6 IS II USM【作例】
日の出と桜。ハーフNDフィルターも使用しています。
「ASC」というフレアやゴーストを大幅低減させるコーティングが非採用のレンズですが、しっかりハレ切りすれば、このように太陽を入れた撮影も可能です。
このような輝度差の大きい朝夕の撮影においても、AFや解像度に特に不満はありません。
こういった幾重にも丘が重なるような風景でも狙い通りにピントがきますし、解像してくれますね。
AF性能を測る基準として、「雪」が指標になります。AF性能が低いレンズだと、こういった被写体にピントが来ないことがよくあります。
このレンズはたまに来ないときもありますが、概ね良好です^^
あまり寄れないということもあり、ボケには強くないレンズだと思います。ボケの強い写真を撮りたいときは、他の望遠か、明るい標準レンズを使っています。
風景を撮影していると、こういう場面に出くわします。ここで300mmあるとシャッターチャンスを逃さずにサッと撮影できるので、便利なんですよね。
エゾリスはとても動きが素早いのですが、しっかりAFが食いついてくれます。
以前、フィールドで出会った人が、滑空するエゾモモンガもばっちりピントが合うと言っていました。しかもLレンズのEF100-400mmだと外れるのに、このレンズは外れないらしいです。おそるべきAF性能です。
AFが効きにくい撮影としては、このような夜明け前のブルーモーメントやマジックアワーの時間帯。ですが、それはこのレンズに限らないです。
「1DX2」と「EF100-400mm F4.5-5.6L IS II USM」の組み合わせでもAFは来ないです。
「一発で来ない」ので、何度か繰り返してもダメなときは、この時間帯だけMFで合わせて対応します。
そして、被写体の周りに障害物がある場面。これが一番外れやすいです。ただ、あらかじめこういう撮影になるとわかってれば、別のレンズを使います。
状況によって使い分けているので、僕の場合は特に問題ないです。
あと、このレンズ1本で動物を撮るのは厳しいと思います。そもそも300mmだと動物撮影には短いので、400〜600mmぐらいのメインレンズがあって、セカンドレンズとしてこのレンズで動物を撮る運用がおすすめです。
先ほどのエゾリスやエゾモモンガのように、AF性能を活かした撮影ができる場面に有効ですね。
これぐらいの輝度差ならAFも余裕で、しっかり解像してくれます。
Canon EF70-300mm F4-5.6 IS II USMの【デメリット】
- 接写撮影はあまり強くない
- エクステンダーが使えない
- レンズフードが付属していない
すでにデメリットも少しお伝えしましたが、気になる部分だと思いますので改めてお伝えしておきます。
①接写撮影はあまり強くない
先ほども述べましたが、花を目一杯ボケさせて撮るのは少し苦手です。
桜の撮影のときに何度も接写撮影しましたが、正直、「もう少し寄りたい。」と思うことがありました。
②エクステンダーが使えない
このレンズは純正エクステンダーに対応していません。
風景でしたら特に問題ないかと思いますが、動物メインで撮影したい方にはデメリットになります。
③レンズフードが付属していない
これ、地味に不便ですよね。他にはレンズポーチも付属してきません。個人的にポーチは必要ないので構わないのですが、レンズフードは必要です。わざわざ別で買うのが単純に面倒ですよね。
↑純正品
↑互換品
このレンズはフレア・ゴーストを大幅低減するASCが非採用ということもあり、逆光で撮影する人は、フードは必須です。
僕は互換品を使っていますが、これで特に不便や不満を感じたことはありません。
ただ、互換品は一つ一つがきっちり同じ作りになっていないこともしばしばあります。あくまでも僕の体験談は参考までということで。
これらのデメリットを受け入れられる方は、Canon EF70-300mm F4-5.6 IS II USMはおすすめできます。
Canon EF70-300mm F4-5.6 IS II USMの【口コミ】
#愛用レンズを画像付きで布教する
EF70-300mm f4-5.6 is ii usm
隠れLレンズとも言われるコスパ抜群のレンズです。
AF良し、描写力良しの凄いヤツですよ! pic.twitter.com/nz89ByHShx— マサ (@masacame226) October 22, 2019
↑AFと描写力について満足の声。
#愛用レンズを画像付きで布教する
Canon EF70-300mm F4-5.6 IS II USM
隠れLレンズとはこのこと…
ピント合うのすんごい早い😶 pic.twitter.com/5jwsCYutzL— けーいち (@K1_carlife) December 17, 2019
↑やはりAF速度の満足度が高いようです。
ちなみにSONY α7III + SIGMA MC-11 + Canon EF70-300mm F4-5.6 IS II USMで動物瞳AF、マヌルネコに効きました。ただ少し途切れる瞬間があるかな。純正レンズほどの効果は出ないかも。イーリスくんはあまり動かないので、フレキシブルスポットAFでも事足りる() pic.twitter.com/t4CMiS8ZLP
— Sorel_Castiglione (@Sorel_C) April 20, 2019
↑AFが途切れたという情報もありました。
【新着】中古レンズのご紹介
キヤノン(CANON)
EF70-300mm F4-5.6 IS II USM高速でスムーズなAFを実現するナノUSMが魅力の一つ。ファインダー撮影はもちろん、動画撮影やライブビューによる静止画撮影時に速くてなめらかなAFを可能にします!
☟お試しあれ!☟https://t.co/vrObFxLZnl pic.twitter.com/t5F3vIflIl
— カメラのキタムラ【公式】 (@camera_kitamura) January 17, 2020
カメラのキタムラさんもナノUSMに言及しています。
tomokiの体験談
毎回、その記事のテーマにまつわる僕の体験談を語るコーナーです。
僕はこのレンズ、AF性能もさることながら、300mmというのもお気に入りの理由なんです。
中望遠のレンズだと、70-200mmが定番です。でも僕の場合は、風景を撮っていると200だとちょっと足りない場面が多々あるんです。
そういう人にも70-300mmはおすすめですよ。実際、200〜300mmの領域で撮影することがけっこうな頻度であります。
特に朝夕をメインに撮影している人はわかると思いますが、その時間帯は刻々と景色が動きます。できるだけレンズ交換などせずに、効率的に動きたいですよね。
僕は北海道の美瑛富良野が中心の撮影なので、300mmあればほぼ撮り切れてしまいます。あと1点、軽いという点もgood。
たまに300mmで足りないときは「EF100-400mm F4.5-5.6L IS II USM」を使いますが、正直、重いので億劫なんです。
でも70-300のおかげでかなり撮影が楽になり、とても満足しています。
自分の撮影スタイルに合うと思った方は、良い買い物になると思います。ぜひ、コスパ最強のCanon EF70-300mm F4-5.6 IS II USMで、良い写真を量産してはいかがでしょうか?
購入は新品と中古が選択肢になる
Canon EF70-300mm F4-5.6 IS II USMは、新品でも5〜6万円程度で購入できますが、中古も全然ありだと思います。
中古購入をしたことがない人は抵抗があるかもしれませんが、初めて買うならメルカリやヤフオクよりもカメラのキタムラやビックカメラの中古がおすすめです。
興味がある方はこちらもご覧ください。
Canon EF70-300mm F4-5.6 IS II USM(新品)
Canon EF70-300mm F4-5.6 IS II USM(中古)
↑中古在庫があれば、リンク先で「中古:〇〇円」と表記されています。
Canon EF70-300mm F4-5.6 IS II USMレビューまとめ
Canon EF70-300mm F4-5.6 IS II USMレビューまとめ
- 『価格が安く、高速AFで、Lレンズ並みの描写力』
- 「風景撮影」もしくは、「動物撮影のセカンドレンズ」として運用するのがおすすめ
- 300mmまで撮れる領域の広さと、軽さという点も大きなポイント
- レンズフード付属してこない問題が地味に面倒
- 購入は、新品と中古の選択肢がある
いかがでしょうか?
メリットやデメリットも含め、「Canon EF70-300mm F4-5.6 IS II USM」が、どんなレンズなのかがわかったと思います。
僕にとっては、撮りたい写真が撮れて、ハッピーな人生になるレンズでした。
購入する方は、この「隠れレンズ」を相棒に、津々浦々の風景を撮影して、満足度の高いカメラライフを送ってください。