【初心者向け】風景写真が上手くなるCanonの「AF方式・AF動作」設定
本記事では、「AF方式」と「AF動作」について、初心者にわかりやすく解説しています。
風景写真に最適なAF設定がわかり、早く上達しますので、
ぜひ参考にしてください。
【北海道美瑛町のフォトグラファー】 地元をこよなく愛する田舎のフォトグラファー。北海道美瑛富良野をメインフィールドに、年間250日以上、自然風景を撮影している美瑛町民です。写真は人生を豊かにしてくれます。 インスタグラムはこちら→tomoki_biei
ツイッターはこちら→@tomoki_biei
風景写真が上手くなるCanonのAF方式設定
まず結論からお伝えします。
- AF方式は、「1点AF」を推奨します。
- そして、AF動作を「ワンショットAF」に設定します。
AF動作については、後半で解説します。
まずは、AF方式を具体的に説明していきます。
AF方式の基礎
ピントを合わせるためのAFのフレームを設定します。
大きく分けると、
- 点で捉えるタイプ
- 領域で捉えるタイプ
の2種類があり、風景写真では点で捉えるタイプをおすすめします。
詳細を見てみましょう。
顔+追尾優先AF:領域で捉えるタイプ
顔を検知して自動的にピント合わせを行う
被写体が動いても追尾してくれます。
1点AF:点で捉えるタイプ
1つの小さいフレームでピント合わせを行う
風景にはこの1点AFを推奨します。
詳細はのちほど解説します。
スポット1点AF:点で捉えるタイプ
1点AFよりも狭い範囲でピント合わせを行う
ただ、ここまでシビアにピント合わせをすることは少ないので、個人的には1点AFでいいかなと思っています。
領域拡大AF:領域で捉えるタイプ
任意に選択した一点と、隣接する上下左右のAFフレームでピント合わせを行う
1点AFでは追従するのが難しい動きのある被写体に有効。
領域拡大AF(周囲):領域で捉えるタイプ
任意に選択した一点と、隣接する周囲のAFフレームでピント合わせを行う
領域拡大AFよりも動きのある被写体に有効
ゾーンAF:領域で捉えるタイプ
領域拡大AF(周囲)よりもAF範囲が広い「ゾーンAFフレーム」で自動選択AFを行う
領域拡大AF(周囲)よりもさらに広い範囲でAFが機能しますが、狙った位置にピントが合わないこともあります。
AF方式にはこれだけの選択肢があります。風景写真においては、この中から「1点AF」をおすすめします。
今回は1点AFを推奨していますが、この6種類は撮影の基礎になります。被写体によって使い分ける場面が訪れますので、実際に6種類すべてを使ってみましょう。
AF方式を「1点AF」にする理由
なぜ1点AFにするのかというと、自分でピントを合わせる場所を決められるからです。
領域で捉えるタイプだと、フレーム内でピントを合わせるポイントをカメラが決めてしまいます。
1点AFだと、「この風景の中の、手前から2番目の木にピントを合わせる」など、自分の意思でピントを決めることになります。
この写真。あなたならどこにピントを合わせますか?
- 手前の木々
- 中央の林
- 遠くに見える山々
もちろん答えなどなく、いろんな選択肢がありますよね。
F値をいくつに設定するかも絡んできます。
どこを見せたいかでピントの位置やF値の選択が変わります。
そこをカメラ任せにしていると、なかなか写真が上達していかないです。
カメラが自動でピント合わせして撮るのと、自分が意図を持って決めて撮るのでは、とてつもなく大きな差があります。
自分が決めるということは、「何を見せたいか?」「何が主役なのかを自分で決める」ということです。
これは写真表現の根幹に関わります。
初心者のうちから1点AFでピントを決めるようにしておくと、上達が早くなると思います。
ちなみにスポット1点AFでもOKですが、風景でそこまで狭くする必要がないので1点AFを推奨しています。
スポット1点AFは、手前に枝がたくさんあって、その向こうにある被写体を撮影したい場合など、ピンポイントでAFを合わせたいときに有効です。
続いて、AF動作について解説します。
風景写真が上手くなるCanonのAF動作設定
AF動作は、ワンショットAFに設定することを推奨します。
冒頭で述べた通り、
- AF方式:1点AF
- AF動作:ワンショットAF
の組み合わせが風景撮影に最適だと思いますので、
その理由を解説していきます。
オートフォーカスモードをざっくり解説
オートフォーカスモードはメーカーによって名称が違います。
Canon:AF動作
Nikon:フォーカスモード
SONY:AFモード
Canonでご説明しますが、AF動作は3種類あります。
ワンショットAF
シャッターボタンを半押しすると合わせたピントが固定される。半押しのまま構図を変えて撮影できる。(静止している被写体向き)
AIサーボAF
半押ししている間、動く被写体にもピントを合わせ続けてくれる(動く被写体向き)
AIフォーカスAF
被写体の状態に応じて「ワンショットAF」と「AIサーボAF」が自動的に切り替わる
被写体によってこれを使い分けます。
ニコンやソニーの場合はAF動作は以下の通りです。
- ワンショットAF=「AF-S」
- AIサーボAF=「AF-C」
- AIフォーカスAF=「AF-A」
風景写真ではワンショットAFにしよう
風景写真の場合、ワンショット以外にすると、狙ったピントがずれてしまうことがあります。
Aの被写体にピントを合わせたいのに、Bに合ってしまうことが普通にあります。
そのため、ワンショットを推奨します。
ワンショットAF撮影
木にピントを合わせて半押ししたまま・・
構図を変える。
ピントは木に合い続けます。
AIサーボAF撮影
最高速度80km/hで走るエゾユキウサギですが・・・
AIサーボAF撮影ならピントを合わせ続けてくれます。
AF動作は被写体ごとの使い分けが大事
では、動物などの動く被写体をワンショットで撮影するとどうなるか?
半押しで固定されたピントも、動物が大きく動くと外れてしまいます。
ですので、AIサーボAFやAIフォーカスAFだと自動でピントを合わせて続けてくれるので、シャッターチャンスを逃しません。
逆に、風景にAIサーボAFを使うと、狙った被写体からピントがずれることもあり(Aを狙ったのにBに合う)、僕はそれがストレスでした。
風景の場合、画面のどこにピントを合わせるかが、表現の一つです。ですから、ピント合わせをカメラ任せにしていると写真の上達が遅くなります。
とても大事な要素であると考えます。
というわけで風景のAF動作は「ワンショットAF」が良いのですが、
AF動作は、AF方式との組み合わせが大事です。
意図を持って設定し、実践に使うことで写真が上手くなります。
ぜひ実践を!
tomokiの体験談
初心者時代の僕は、AF方式・AF動作をよく理解しないままカメラを運用していました。
「動く被写体も動かない被写体も両方に対応してくれるなら、「AIフォーカスAF」が一番いいじゃん。」
という浅はかな考えのもと、とりあえずその設定で適当に撮っていました。笑
正直、ピントはだいたい合っていれば、初心者に微妙な違いなんてわかりません。
写真の全体を見て「いい写真」と思えればそれで良い。そんな感じです。笑
そもそもスマホカメラから一眼レフにした時点で、劇的に写りが良くなり、背景もボケるので、細かいところまで気にならないんですよね。
現時点でそういった方は、まずカメラを楽しめば良いと思います。
細かいところが気になり始め、「脱初心者!」「次のレベルに進みたい!」という気持ちが強くなってきたとき、今回の内容は完璧に理解し身につけてください。
ピントは意図を持って合わせる。超重要です。
Canonの「AF方式・AF動作」設定まとめ
- AF方式は1点AFがおすすめ!
- AF動作はワンショットAFがおすすめ!
- 風景は1点AFとワンショットAFの組み合わせが最適!
- 意図を持ったピント合わせで風景写真が上達する!
いかがでしたか?
初心者時代の僕のように、基礎をおろそかにせず、しっかり学んで実践すれば確実に上達が早くなります。
この記事が、良い写真を撮るための一つの要素になれば嬉しいです。
では、また(´∀`)ノ
【次のレベルに押し上げる】カメラ初心者に必要な基礎知識20選
関連 関連