【正しく使えてる?】風景写真における『広角レンズ』の使い方
この記事を最後まで読むと、風景写真における広角レンズの使い方が正しく理解でき、風景写真が上達します。
ぜひ、実践に役立てて、いい写真をたくさん撮ってください。
【正しく使えてる?】風景写真における『広角レンズ』の使い方
端的に言いますが、多くの初心者は、広角レンズの使い方を間違えています。
想像してみてください。
あなたは北海道に撮影に行きました。目の前には大自然が広がり、どこまでも広い大地と青い空が続いています。
まさに「ザ・北海道」という広大な景色です。
「この広大な絶景を全部写真に収めたい!」
そう思って当然のように広角レンズを選択し、撮影。
多くの観光客や風景写真初心者は、こんな思考と選択をするのではないでしょうか?
事実、僕自身が初心者時代にそうやって撮影してきましたが、その間違いに気づいてから、飛躍的に風景写真のスキルが上達した経験があります。
これから詳しく説明していきます。
そもそも広角レンズとは?広角レンズの基礎知識
- 35mm以下の領域を広角
- 24mm以下を超広角
一般的に上記の共通認識があり、ここではこの2つを含めて広角レンズと呼ぶことにします。
広角レンズの特徴
①広い範囲を写すことができる
単純に、広い画角で写すことができます。これは誰もが認識していますよね。
②近いものはより大きく、遠いものはより小さく写る
これが広角レンズの醍醐味。遠近感が強調される効果があります(パースペクティブ効果)。
この広角レンズの特性を利用して、風景写真を撮影すれば、奥行きや動きのある、ダイナミックで印象的な写真になります。
それでは、実践で学んでいきましょう。
ポイント①:無駄な空間を作らない
これは風景写真の失敗例です。冒頭で書いたように、「この広大な絶景を全部写真に収めたい!」と思って広く写そうとしたときにこうなります。
そして、撮った写真を見てみると、「あれ、なんか違う。本当はもっと絶景なのに。」というのがこのパターンです。
これについては、なぜそうなるのかというカラクリを解説している記事がありますので、興味がある方はこちらをご覧下さい。
どこを見せたいのか?という意図が伝わらないのと、広く写せる分、無駄な空間が入りやすいのが原因です。
それと、広角レンズを使うときは、空を多く入れるとダイナミックになるとよく言いますが、それだけでは平坦な写真になることも多いんです。
ですので、僕はこのような広大な風景を広角レンズでは撮影しません。
望遠レンズを使いますが、今回は広角レンズの話なので、その話はまた別の機会にします。
話を戻して、こういう広大な風景を広角で撮るときも、もちろんあります。
次の写真のようなときです。
雲があることで、遠近感が出て迫力ある写真になりましたよね。
僕は空を入れるときは、基本的に雲のダイナミックさを表現したい場合に広角レンズを使用します。
雲がない快晴の青空ではほとんど使わないです。このポイント①を理解するだけで、かなり広角レンズの使い方が変わると思います。
ポイント②:前景を入れる
もうひとつ重要なポイントが、前景を入れること。
「近いものはより大きく、遠いものはより小さく写る」という特性をフルに活かすことを考えると、「前景」が重要になってきます。
前景があることで、遠近感が強調されているのがわかりますよね。
ポイントは、前景の被写体にできるだけ近づくことです。
広角レンズを使うとき、前景を作れるようになると、写真が見違えます。
ポイント③:近い空間を広く撮る
広角レンズは、「広い景色を広く撮る」のではなく、「近い空間を広く撮る」という認識でいた方が、風景写真に活かせます。
わかりやすく言うと、「これはちょっと被写体が近すぎるなぁ。」と思うときほど、広角の出番です。「意図的に、近すぎる状況」を作りにいくのです。
それを実践したのが、上の写真です。被写体の木が目の前にあり、カラマツがびっしりと立ち並んでいて圧迫感があります。
こういう空間でこそ広角レンズの特性が発揮されます。遠近感が強調されるとともに、人間の視野よりも広い空間を写し出せるので、迫力ある写真になります。
tomokiの体験談
毎回、初心者に役立つ体験談をお伝えしているこのコーナー。今回は正直、記事の中で体験談をだいたい書いてしまいました。
ということで、「知ることの大切さ」という話をします。
僕は、カメラを購入して半年後ぐらいに超広角レンズ(CANON EF16-35mm F2.8L III USM)を買って使っていました。
大三元レンズと呼ばれる、お高いレンズです。しかし、2年以上の長期にわたり、今回お話しした内容を知りませんでした。
広角レンズの特性をなにも知らないまま、「広い景色を広く撮るのが広角レンズだ」と思って撮影していたのです。
まさに、猫に小判です。豚に真珠です。
「いいレンズを使えば、いい写真が撮れるわけではない」ということを、2年以上の長きに渡り実践し、実証してしまったのです。笑
でも。こういうことってよくあると思うんですよね。いい道具を買って、それで満足してしまうみたいなことが。
カメラ機材も使いこなすことが大事だと思います。使いこなすことによって、初めてその性能が引き出されるからです。それを何度も経験してきました。
「いい機材は、使いこなさなければ、意味がない。」今はそう思います。
だから、知ることって本当に大事。でも現実は、そういう情報にたどり着くまでがなかなか難しいんですよね。
今回の内容は、僕がカメラを始めたばかりの初心者の頃に知りたかったです。本当に。笑
そんな思いもあり、「初心者時代の過去の自分に教えてあげたい」という内容を、このブログで発信しています。
ぜひ他の記事も読んでみてください。必ず役に立てる自信があります^^
まとめ
広角レンズまとめ
- 35mm以下の領域が広角レンズ
- 広い範囲を写すことができる
- 近いものはより大きく、遠いものはより小さく写る
- 無駄な空間を作らない
- 前景を入れる
- 近い空間を広く撮る
- いい機材は、使いこなさなければ、意味がない
いかがでしょうか?
知らなかった方は、広角レンズに対する認識が変わったと思います。
風景写真における広角レンズの使い方が正しく理解でき、上達するための土台作りになったと思いますので、ぜひ、実践していい写真を撮ってください。
この記事がお役に立てれば嬉しいです。
では、また(´∀`)ノ
『写真を通して、人生に感動を。』
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