- Swiftシステムがややこしくてよく分からない
- Swiftシステムをきちんと理解したい
- 自分に最適な組み合わせを見つけたい
Swiftシステムは、組み合わせを理解するのが難しいです。
本記事を読めば、
- Swiftシステムの主要組み合わせパターンの詳細
- どんな撮影やどんな人に向いているか
がわかりますので、「組み合わせに関する理解」が深まります。
ここで得た基礎知識をもとに、最適な運用でフィルターワークをお楽しみください。
フォトグラファー
北海道美瑛町在住
詳しいプロフィール
H&YとKANIの「角型フィルターシステム2刀流」で毎日のように自然風景を撮影しています。H&Yフィルターのおかげで日々の撮影が楽しく豊かで快適になりました。その魅力を一人でも多くの人に伝えるべく、情報発信しています。
- 北海道美瑛町在住
- Kindle写真集「美瑛富良野ひととせ記」シリーズ出版中(全12冊の予定)。
- 丘のまちびえいファンガイド
- 星のソムリエ(準星空案内人)
- 姉妹サイト「美瑛フォト」運営
Swiftシステムの基本
まずは基本から。
Swiftシステムパーツの組み合わせを考えるときは、上の「Swiftパーツ組み合わせ一覧」を手元に用意しておくのがおすすめです。
「ベース」「ブリッジ」「アクセサリー」の3つのカテゴリーに分かれるという解説をよく目にしますが、あまり意識して覚えなくてOK。
パーツとカテゴリー名を紐づけて覚えるのが意外と大変。僕は無視してます(笑)
一覧表は、組み合わせを具体的に考えるときに有効なので、すぐに見られる状態であれば良いです。
たとえば、「Swiftシステムでレンズフードを使いたい」と思ったとしましょう。表を見られるようになると、どのパーツに装着可能かすぐにわかります。
正解は、次の3点。
- Swiftマグネティック ブリッジリング
- Swiftマグネティック ドロップインフィルターラック
- マグネティックVNDフィルター
確認したいときに見るのが一番便利です。何度も見ているとそのうち勝手に覚えてきます。
Swiftシステムの組み合わせを考えるときは、パーツ一覧を手元に用意しておきましょう。
Swiftシステムの組み合わせパターン解説
▲表の一番左の「番号」をタップすると詳細見出しに移動できます。
8パターンの詳細解説をします。一覧表の数字をタップするか、このまま下にスクロールしてご覧ください。
表1〜7のパーツ組み合わせ共通事項として、①REVORING Swift マグネティック可変式アダプターと②Swiftマグネティックアダプター(広角レンズ向け薄枠アダプター)は両方持っていると便利です。
1.角型フィルターのみを使いたい人向け
① | REVORING Swift マグネティック可変式アダプター(レンズに合うサイズを選んでください) |
② | Swiftマグネティックアダプター(広角レンズ向け薄枠アダプター) |
③ | Swift マグネティック ブリッジリング |
④ | Swift マグネティック 100mmフィルターホルダー |
⑤ | K-Series 角型フィルター |
詳細を見る
- 最小限のパーツで角型フィルターが使える組み合わせ
- 当然ながら最安値
- 初期費用を抑えて角型フィルターを始めたい方に最適
- 広角レンズの場合は②を装着するとケラレが発生しにくくなる
REVORING+角型フィルターのシンプルな組み合わせ。角型フィルターのみを使いたい方はこれでOKです。
↑日の出直後のシーンではこの組み合わせで十分撮れます。
あとからドロップインフィルターとフィルターラックを購入すれば、角型+ドロップインフィルターの運用も可能です。
ここからパーツを買い足して、システムの充実を図れますので、「まずは最低限で」という方に。
2.角型フィルター+ドロップインフィルターを使いたい人へ
① | REVORING Swift マグネティック可変式アダプター(レンズに合うサイズを選んでください) |
② | Swiftマグネティックアダプター(広角レンズ向け薄枠アダプター) |
③ | Swiftマグネティックドロップインフィルターラック(RD100) |
④ | K-Seriesドロップインフィルター |
⑤ | Swift マグネティック 100mmフィルターホルダー |
⑥ | K-Series 角型フィルター |
詳細を見る
- 日の出日の入りなど輝度差を抑えたい場面や、CPLやND、ブラックミストなどのフィルター効果を掛け合わせたいときに使用
- 水辺のスローシャッターが楽しめる
- ①と比較すると幅広いシーンに対応できる
- 最も汎用性が高いスタンダードな組み合わせ
- 予算がある方は①よりこのセットがおすすめ
K-Series Basicセットと同等の内容です。この組み合わせで揃えておけば、相当なバリエーションで角型フィルター撮影を楽しめます。
日の出のシーン。ハードGNDで空の露出を落とし、水面の反射を抑え太陽のリフレクションを狙った一枚。作品作りを追い込めますね。
K-Series Basicセットと比較すると初期費用が高くなりますが、利便性や運用の発展性まで考えると十分にお釣りがきます。初心者におすすめの組み合わせです。
3.角型フィルター+ドロップインフィルター2枚
詳細を見る
- GNDで輝度差を抑えつつ、CPL・ND・ブラックミストなどの効果を掛け合わせる
- 角型+ドロップイン2枚や、角型なしドロップイン2枚の撮影ができる
- 重ね付けには「RD100」と「RD100A」が必要になるので間違えないよう注意
- ドロップインフィルター2枚の使用頻度はさほど多くない
・ドロップインCPL+ドロップインND1000+ソフトGND8
→日中に雲をスローシャッター撮影。輝度差と反射を抑えつつ雲を流す。
・ドロップインブラックミスト+ドロップインCPL/ND32
→水辺のスローシャッターでキラキラを強調したい場面。
上記のような用途が考えられます。
決して初心者向きではありませんが、ドロップインフィルターを重ね付けできるのは大きなメリットです。
ケラレやすくなる点に注意しましょう。
角型撮影をさらに追い込みたい方、ドロップインフィルターの効果をかけ合わせたい方に。玄人向けですね。僕は2枚重ねることがほぼありません。
4.ドロップインフィルター
① | REVORING Swift マグネティック可変式アダプター(レンズに合うサイズを選んでください) |
② | Swiftマグネティックアダプター(広角レンズ向け薄枠アダプター) |
③ | Swiftマグネティックドロップインフィルターラック(RD100) |
④ | K-Seriesドロップインフィルター |
詳細を見る
- 反射を抑える、色を鮮やかに出す、水辺や雲のスローシャッター、光を拡散させるなど、角型以外のフィルター効果で撮影したいシーンに
- ねじ込み不要のため、ドロップインフィルターのみの撮影もすこぶる快適。サクサクと入れ替え可能なので、複数枚を使用するときのメリットが大きい
- Swiftシステムを使ってみると、ドロップインのみの撮影が意外と多く、使用頻度が高い
- Swiftシステムになり、レンズフードの装着が可能になった
ドロップインCPLフィルターで青空を鮮やかに引き出しました。
ドロップインCPL/ND32フィルターで、水面の反射を抑えつつ川の青を引き出し、滝と川をスローシャッターで表現。
ドロップインブラックミストフィルター1/4で、水面のキラキラをエモい雰囲気に表現できます。
使用頻度が高い人はレンズフードがあっても良いですね♪
5.角型フィルター+Swift VNDフィルター
① | REVORING Swift マグネティック可変式アダプター(レンズに合うサイズを選んでください) |
② | Swiftマグネティックアダプター(広角レンズ向け薄枠アダプター) |
③ | Swift マグネティック Vari NDフィルター |
④ | Swift マグネティック 100mmフィルターホルダー |
⑤ | K-Series 角型フィルター |
詳細を見る
- K-Seriesではできなかった角型+VNDの組み合わせが実現
- 日の出日の入りシーンで輝度差を抑えながらのスローシャッター、動画撮影
- 露出調整が非常に楽。Swiftシステムを運用するなら押さえておきたい組み合わせ
・SwiftVND+ハードGND8
→日の出のシーンで空と地上の輝度差を抑えつつ、スローシャッターで雲や霧を流す。
GNDを使いつつ露出調整が爆速になります♪
6.角型フィルター+Swift VNDフィルター+ドロップインフィルター
詳細を見る
- 輝度差を抑えながら雲のスローシャッターなど。
- ドロップインフィルターを組み合わせる頻度はさほど多くないものの、いざそのときが訪れると快適な撮影ができる。
・SwiftVND+ドロップインND1000+ハードGND8
→雲のスローシャッター撮影。輝度差を抑えつつ、VNDで微妙な露出調整
最終的な露出の微調整をVNDでできるのが便利。
スタンダードな一覧表2にVNDを追加した組み合わせです。
7.SwiftVNDフィルター
① | REVORING Swift マグネティック可変式アダプター(レンズに合うサイズを選んでください) |
② | Swiftマグネティックアダプター(広角レンズ向け薄枠アダプター) |
③ | Swift マグネティック Vari NDフィルター |
詳細を見る
- 動画撮影
- 水辺や雲のスローシャッター撮影
- 撮影が容易にできるだけでなく、他のSwiftパーツと併用できるのが特徴
- 「ND3-32」「ND32-500」の2種がある
- VND3-1000と違い、CPL効果はない
- マットボックスを使いたい場合はVND3-1000よりもSwiftVNDが向く(SwiftVNDの枠は回転しないため)
- SwiftVND+ND1000
→雲のスローシャッター撮影 - SwiftVND+ブラックミスト
→光のふんわりさせたいシーンで動画撮影 - SwiftVND+クロスフィルター
→夜景撮影
VNDがあると撮影がかなり快適です。持っていない方は1枚あると良いですね♪
8.角型フィルター+REVORING Vari NDフィルター
① | REVORING Vari ND3-ND1000 CPL(レンズに合うサイズを選んでください) |
② | Swift マグネティック ブリッジリング |
③ | Swift マグネティック 100mmフィルターホルダー |
④ | K-Series 角型フィルター |
詳細を見る
- 日の出日の入りシーンで輝度差を抑えながらスローシャッター、動画撮影
- K-Seriesではできなかった角型+VNDの組み合わせが実現
- 露出調整が非常に楽で、確実に表現の幅が広がる。Swiftシステムを運用するなら押さえておきたい組み合わせ
GNDで空と地上の輝度差を抑えつつ、雲や霧を流しました。
フィルター使用効果としては、一覧表6の組み合わせとほぼ同じです。
組み合わせの注意点
- RD100とRD100Aが混同しやすい
- REVORING VND+ドロップインフィルターの併用はできない(代わりに専用のマグネット式丸型フィルターがある)
- SwiftマグネティックVND+ドロップインフィルターは可(フィルターラックはRD100Aしか装着できない)
- SwuftマグネティックVNDと偏光効果のあるドロップインは併用不可
Swiftパーツ組み合わせクイズ
Swiftシステムの理解度を深めるため、組み合わせを考えてみましょう。
上の表を見ながら、全問正解を目指してください♪
★ Swiftクイズ ★
Q1 標準レンズでドロップインCPL+角型を使うために必要なパーツは?
A1
- ① REVORING
- ③ フィルターラック(RD100)
- ⑤ フィルターホルダー
使用頻度が高いスタンダードな組み合わせ。ドロップインフィルターが1枚でいいならRD100Aは必要ないです。
Q2 広角レンズを使い、角型フィルターのみで撮影するときのパーツは?
A2
- ② 広角レンズ用アダプターリング
- ③ ブリッジリング
- ④ フィルターホルダー
Q1の組み合わせからドロップインフィルターラックを抜いただけでは角型のみの撮影ができません。フィルターラックの代わりにブリッジリングが必要になります。
Q3 REVORING VND(表左上)にレンズフードを装着したいときのパーツは?
A3
- ② ブリッジリング
- ③ レンズフード
REVORINGの上に「REVORING専用マグネット式丸型フィルター」を重ね付けしたときも、ブリッジリングは必要です。
Q4 中望遠レンズでマグネティックVNDフィルターにレンズフードを装着したいときのパーツは?
A4
- ① REVORING
- ② マグネティックVNDフィルター
- ③ レンズフード
Q3のVNDとは違うのがややこしいところ。Q3はレボリングと一体式のVNDフィルターですが、こちらは単体のVNDです。REVORINGに装着し、レンズフードを取り付けます。
Q5 標準レンズでドロップインフィルターを2枚、GND1枚を使いたいときのパーツは?
A5
- ① REVORING
- ② ドロップインフィルターラック(RD100)
- ③ ドロップインフィルター
- ④ ドロップインフィルターラック(RD100A)
- ⑤ ドロップインフィルター
- ⑥ ブリッジリング
- ⑦ 角型フィルター
ドロップインフィルターラックを間違えないよう、注意しましょう。重ねるときはRD100Aが必要です。
>>> 一覧表を見たい方はこちら
結局、初心者が買うべきパーツは?
とりあえず最低限必要なパーツとして上記4点を推奨します。広角レンズがある方は広角レンズ用の薄枠アダプターもあると良いでしょう。
この4点があれば、下記の撮影が可能です(一覧表1、2、4の撮影が可能)。
- 角型フィルターのみ
- ドロップインフィルターのみ
- ドロップインフィルター1枚+角型フィルター
これをベースにして、必要なパーツが出てきたら買い足していけば良いと思います。
ずっとレンズフードが欲しかった話
これまで僕は、K-Seriesホルダーのデメリットのひとつとして「レンズフードが装着できない」ことを挙げていました。
それが解消される日がやってきたのです。Swiftシステムの登場によって。
僕は日の出シーンの撮影に角型フィルターを使い、ある程度太陽が高くなると角型だけを外してドロップインフィルターのみで撮影をすることがよくあります。
そしてやはりドロップインだけだと「ゴースト」や「ハレーション」がちょいちょい発生します。
「レンズフードが付けられたらな〜」と思いながら、ハレ切りで対応していました。
まさか現実になるとは。
ドロップインフィルターは、CPL、ND、ブラックミストフィルターを使い分け、かなり高頻度に使用していましたので、ずっとレンズフードが欲しかったわけです。
レンズフードをマグネットでパチンと取り付けるなんて、想像していませんでした。
ドロップインフィルター以外に、REVORING VNDフィルターにも付くので本当に助かります。
ドロップインフィルターやVNDフィルターの使用頻度が高い人にはおすすめですよ。
「H&Y REVORING Swiftシステムの組み合わせパターン8選」まとめ
- カテゴリー(ベース・ブリッジ・アクセサリー)は無理に覚えなくて良い
- 選ぶときは「Swiftパーツの組み合わせ一覧」を見ながら考える
- 初心者は最低限必要な4点のパーツを推奨(REVORING/フィルターラック/ブリッジリング/フィルターホルダー)
- ドロップインフィルターの重ね付け、VND使用時のパーツ選びには注意が必要
Swiftシステムの組み合わせに対する理解が深まり、自分に必要なパーツも浮かび上がってきたと思います。
Swiftシステムを最適化して至高のフィルターワークを楽しみましょう♪
では、また(´∀`)ノ
tomoki (tomoki_hy)でした。
コメント