初めてハーフNDフィルターを購入した人の多くは、「ソフトGND8」を持っていると思います。
なぜなら、多くの初心者向けフィルターセットには汎用性が高い「ソフトGND8」が入っているからです。
そんなあなたが2枚目に買うべきフィルター。
それが「ハードGND」です。
しかし、
「ハードは使ったことがない」
「そもそもソフトとハードの違いがよくわからない」
本記事は、そんな方におすすめです。
実はハードGNDはとても役立つフィルターなんです。「ソフト」と「ハード」の両方を持っていることで、「使い分け」がきく上、「重ねて」使うこともできます。当然、表現の幅もグッと広がります。
1枚目にソフトを買った人は、2枚目にハードを購入するのが良いですよ♪
詳しく解説しますので、ぜひご覧ください。
フォトグラファー
北海道美瑛町在住
詳しいプロフィール
H&YとKANIの「角型フィルターシステム2刀流」で毎日のように自然風景を撮影しています。H&Yフィルターのおかげで日々の撮影が楽しく豊かで快適になりました。その魅力を一人でも多くの人に伝えるべく、情報発信しています。
- 北海道美瑛町在住
- Kindle写真集「美瑛富良野ひととせ記」シリーズ出版中(全12冊の予定)。
- 丘のまちびえいファンガイド
- 星のソムリエ(準星空案内人)
- 姉妹サイト「美瑛フォト」運営
ハードとソフトの違い
ハードとソフトの違いを、
- 外観
- 効果
の2点からご説明します。
なんとなくのイメージはあるかと思いますが、改めて基礎知識をインプットした上で、今の自分に最適なフィルターを選択しましょう。
外観の違い
外観の違いはとてもわかりやすいですね。
ND部と透明部の境目が違います。
境目のグラデーションがはっきりしているのが「ハード」
なだらかなのが「ソフト」です。
写真はどちらもGND8ですので、同じ濃度です。
境界部のグラデーションが違うことで、当然、フィルター効果も変わります。
他に、リバースGNDやバランサーGNDもあり、それぞれ効果も違います。少しずつ覚えていきましょう。
効果の違い
ハード | ソフト | |
境界線がはっきりしているシーンに・・ | ハード推奨! 地平線や水平線がある場面におすすめ | 左記場面でも使えるが効果が弱い | ソフトも使えるがやや劣る
太陽が低い位置にあるシーンに・・ | 日の出、日の入りの時間帯 | ハード推奨!左記場面でも使えるが効果が弱い | ソフトも使えるがやや劣る
境界線がはっきりしている景色には、ソフトよりもハードを使うことで、「適切な位置にND効果をかけられるので、同じ濃度でもより大きな減光効果」が得られやすいです。
ハードの効果を見てみましょう。
霧が出ていて空が真っ白な場面です。200mmの焦点距離で撮影しています。
全体的に暗くなりましたが、これぐらいの焦点距離でソフトを使うと境目がよくわからないぐらいです。
わかりやすく真ん中付近にハードGNDをかけました。ハードを使ったことがない人には意外じゃないですか?ハードといっても想像するほどはっきりくっきり境目は出ません。
では続いて、境目が出やすいと言われる超広角16mmの写真を見てみましょう。
全体的に暗くなって、若干ですが空のディテールが出ました。16mmでもソフトだと境目はわからないですね。
これもあえてわかりやすく少し上めにND効果をかけています。明らかにソフトよりも境目がわかりやすいですよね。
200mmと16mmではこれぐらいの差が出ますので、自分の撮影スタイルを把握してフィルターを選択することが肝要です。
では続いて、日の出のシーンを見てみましょう。
写真はハードGND8を使用し、200mmの焦点距離で撮影しています。
赤いラインのあたりにフィルターの境界部を合わせています。
↑ハードGND8とフィルターなしの比較。
フィルター効果がはっきりとわかりますよね。
で、重要なのはここからです。
ハードとソフトの比較を見てみましょう。
↑ハードGND8とソフトGND8の比較
ソフトよりもハードの方がしっかりと減光されています。
イメージとしてはこんな感じ。
ハードはND濃度の濃い部分が空にかかりますが、ソフトはグラデーションがなだらかですので、どうしても減光効果が弱くなります。
そのため、「ソフトでもっと減光しよう」と思ったら、フィルターを深く差し込むことになります。
それが次の写真。
↑ソフトGND8(浅め)とソフトGND8(深め)の比較
このように、深くかけると空は減光できますが、同時に地上も暗くなってしまいます。
こんなイメージですね。深めにかけると前景のディテールが失われます。
1枚であらゆるシーンに対応するのは不可能なので、こんな場合は、白飛びや黒潰れにならないように撮り、現像で調整して仕上げることが多いです。
一見、「ソフトいまいちじゃん。」と思うかもしれませんが、フィルターなしで撮った写真よりも補正(レタッチ)に融通がききます。
↑ソフトGND8(深め)とハードGND8の比較
実践的にはこの写真が参考になると思います。ソフト深めとハードの比較ですが、空の露出は同じぐらいになりますが、地上部が違います。
ハードの方が、空を減光しつつ、前景のディテールも残すことができます。これがソフトとハードの差です。とはいえ、レタッチで地上部を明るく持ち上げればハードと同じようになりますが、当然、レタッチの補正幅が狭くなり、ノイズが出やすくなります。
些細なことに見えるかもですが、こういったことの積み重ねでクオリティーの高い写真を作り上げます。フィルターワークの醍醐味と言えるでしょう。
ですから、地平線や水平線など、空と地上の境界線がはっきりしている場面では「ハード」が「ソフト」よりも減光できるため、おすすめです。
ちなみにソフトと比較するとハードの方が減光できていますが、本当はもっと減光して太陽周辺のディテールを出したいところです。GND8・1枚では日の出撮影の撮って出しは、天候などの条件が良くないと少し厳しいですね。
朝夕の光を追いかけるカメラマンは、ハードGNDは必須フィルターと言えるでしょう。
☑️ 境界線がはっきりしている場面ではハードが有効
☑️ 日の出・日の入りはハードの方がより減光効果が得られる
2枚目にハードGNDを購入するメリット・デメリット
ハードのメリット
大きなメリットはすでにお伝えしました。
「境界線がはっきりしている場面で、より大きな減光効果が得られる点」です。
ということで、残り2つを解説します。
2枚あると使い分けられる
使い分けという点では、たとえば次のような場面。
どちらも境界線がはっきりしていますが、左の場面は「ソフト」の方が向いています。右は先ほどお伝えした理由で「ハード」です。
当たり前ですが、「太陽の周辺が一番明るい」です。
左のように太陽がだいぶ高い位置まで昇ってしまうと、太陽周辺は明るく、地上に近づくほど光が弱くなります。
上が濃く、下が薄いというソフトのグラデーションに合いますよね。
このように、撮影条件を考えて使い分けたりします。
2枚重ねができる
2枚あることで、2枚重ねができます。当たり前ですね笑
でも意外とこれが大事で。
たとえば、僕はKANIのデュアルパーパスGNDというフィルターを持っています。
1枚でソフトとハード、2通りの効果を得られる優れもの。コスパも抜群でお気に入りの1枚です。
しかし、当然ですが2枚重ねができません・・。
フィールドでの撮影は、1枚で減光しきれない場面も多く、重ねて使用することも多々あります。
ソフトとハード、2枚持っていることで、
- ソフト
- ハード
- 2枚重ね
と、選択肢が増えますので、
対応できる場面が増える
→シャッターチャンスが増える
→多彩な表現が可能
ということになりますよね。
フィルター運用の実態としては、重ねて使うことが頻繁にあります。1枚しか持っていなかった時代を振り返ると、ずいぶんとフィルターワークが制限されていたんだなぁと思います。
ハードのデメリット
デメリットは、
- お金がかかる
- 失敗すると目立つ
という2点を挙げます。
お金がかかる
ハーフNDフィルターは現在(2022年7月)、公式サイトで1枚26,980円します。
高価なものなので、2枚3枚と購入するのは当然大きな出費となります。
これが一番のデメリットでしょう。
カメラやレンズと同じように機材への投資と考え、自分に合うものを選択していきましょう。
当サイトではH&Y製品が安く買える「クーポンコード」を配布していますので、ぜひご活用ください。
失敗すると目立つ
ハードはソフトよりも境界部がはっきりしているため、失敗すると目立ちます。
はっきりとフィルターの境界線がわかってしまいますので。笑
そんな理由から、初心者にはソフトがおすすめされます。
撮影時にしっかりと確認する必要がありますが、実際のところ僕自身はどうだったかというと、1枚目のソフトの方がはるかに苦戦しました。ハーフND自体が初めてなので、失敗しまくりでした。
しばらくして2枚目にハードを購入したときには、もうハーフNDの扱いに慣れていましたので、全く問題なしという感じでした。
ハードは境界線がはっきりしてわかりやすいので、むしろ失敗は少ない気がします。ソフトの方がよく見ないと失敗がわかりにくいですね。
フィルター濃度はどれがいい?
これが一番悩ましいところかもしれません。
H&YのハードGNDは、4種類の濃度があります。
- ND4
- ND8
- ND16
- ND32
これまでの経験を踏まえた上で意見を述べると、「16」を推奨します(次点で「32」)。
ソフトよりも輝度差の大きい場面で使うことを想定すると(日の出日の入りなど)、「8」では濃度が足りない場面が多いからです。
↑ハードGND8と32の比較です。
32の方が太陽やその周辺のディテールが出ているのがわかります。
ただ、32だと太陽から遠い空が減光されすぎているので(これはこれでアリだと思いますが)、ここでは「16」が最適だったと思われます。ごめんなさい、この日は16を持っていませんでした^^;
仮に「ソフト8」と「ハード32」しか持っていないと、32で減光されすぎる場面に対応できません。「ソフト8」と「ハード16」なら、朝夕の場面では「16」を使い、16で足りないときは「ソフト8」を重ねれば広範囲に対応できます。
まだフィルターの所有枚数が少ないうちは「16」で良いと思いますが、個人的には1枚でガキッと減光できる「32」が大好きで、けっこう出番も多いです。ぜひいずれ♪
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tomokiの体験談
ハーフNDフィルターは、ソフトしか持っていないという方が多い印象です。
僕自身も、角型フィルターセットに入っていたソフトGND8の1枚だけで、しばらくの間は撮影していました。
それまではフィルターなしでしたので、ソフト1枚だけでも写真が劇的に変化し、満足していたのです。
ところが、あるタイミングで「jpeg撮って出し」を目指し始めたときに、これではダメだと痛感しました。「ソフトGND1枚では、撮りたい写真が撮れない」と。
そこで2枚目のフィルターを購入することになり、2枚重ね3枚重ねの撮影や、ソフト以外にハードやリバースの使用など、さまざまなフィルターワークの実践を積み重ねてきました。
これまでを振り返ってみると、ハードGNDが一番使用頻度が高いです。ハードをまだ持っていない方にお伝えしたいです。「ハード、めっちゃ良いよ♪」と。
「もちろん僕の撮影スタイルでは」という前提はありますが、朝夕の光を撮る方にはおすすめできます。
現在のソフトGNDの使い方としては、ハードGNDで境界線が出すぎるときや、空が暗くなりすぎるときに使います。まずハードから使うことが多いですね。
ハードを使う人は少ないです。ぜひ、使ってみてください^^
「ハードGNDとソフトGNDの違い」まとめ
ハードは日の出日の入りや境界線がはっきりしている場面で有効
ソフトよりも減光効果が大きい
2枚目に買うことで使い分け、2枚重ねができる
シャッターチャンスが増え、表現の幅が広がる
ハードは失敗すると目立つが、むしろソフトより失敗は少ない
フィルターは高価だが公式サイト・アウトレット・クーポンコードでお得に購入できる
朝夕の光を撮影するカメラマンにはハードはおすすめ!
2枚目にハードGNDを購入することで、これまで撮れなかった写真が撮れるようになります。
ぜひハードを体験して充実したカメラライフをお送りください。
では、また!(´∀`)ノ
tomoki(tomoki_hy)でした。
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