H&YやKANIなど高級角型フィルターは価格が高い!できるだけ安いほうがいいんだけど、ネットで見かける激安フィルターって実際どうなの??
そんな方の疑問にお答えする記事を書きました!
- 激安フィルターと高級フィルターって「どう違う」の?
- 激安フィルターは「あり」なの?「なし」なの?
- 激安フィルターの「体験談」を聞きたい
激安フィルターについて知りたい方はぜひご覧ください!
フォトグラファー
北海道美瑛町在住
詳しいプロフィール
H&YとKANIの「角型フィルターシステム2刀流」で毎日のように自然風景を撮影しています。H&Yフィルターのおかげで日々の撮影が楽しく豊かで快適になりました。その魅力を一人でも多くの人に伝えるべく、情報発信しています。
- 北海道美瑛町在住
- Kindle写真集「美瑛富良野ひととせ記」シリーズ出版中(全12冊の予定)。
- 丘のまちびえいファンガイド
- 星のソムリエ(準星空案内人)
- 姉妹サイト「美瑛フォト」運営
【比較検証】ハーフNDフィルターは高い!?安いフィルターじゃダメなの??
ハーフNDフィルターって、「高い」という印象がありますよね。初めて価格を見たときは、きっと驚くことでしょう。
しかし、安すぎて驚いてしまうようなハーフNDフィルターも存在します。
高価なフィルターは「品質が良い」と想像できますが、安いフィルターとどれほど違いがあるのでしょうか?
- 高級フィルターの代表選手「H&Y」
- 激安フィルターの代表選手「Kiowon」
この2つを比較検証してみました。
商品 | H&Y | Kiowon |
---|---|---|
指紋・汚れ | 取りやすい | 付きにくい取りにくい (伸びやすい) | 付きやすい
傷 | 付きにくい | 付きやすい |
割れ | ゴリラガラス | 樹脂 |
耐久性 | ガラス製は強い | 傷がついたらアウト |
価格 | 高級 26,980円 | 安っ!! 2,399円 |
総合 |
わかりやすく表にするとこのような違いがありますが、詳しい違いは1つずつ検証していきます。
それでは、さっそく本題に入りましょう。
高級ハーフNDフィルター代表選手「H&Y」
高級フィルターの代表選手「H&Y」のハーフNDフィルターです。
実際に僕が普段から愛用しているフィルターです。
価格はAmazonで26,980円、公式サイトでも26,980円です。
これにホルダーも必要になるので、初めて購入する方はもっと高くなります。
安いフィルターの代表選手「Kiowon」
お待たせしました。
この記事を読んでいる方は、こちらのフィルターに興味があるはず。
Amazon価格は衝撃の2,399円です。
「わざわざ1円引いて、これ以上安く見せなくてもいいのに。」と思うほど圧倒的な安さ。安すぎて逆に怪しいパターンのやつですね。笑
この激安フィルターと高級フィルターの2枚を比較します。
フィルター比較① 外観・特徴
商品名 | H&Y K-SeriesソフトGND8 | Kiowon GND8 |
価格 | 26,980円(amazon/公式サイト) | 2,399円(amazon) |
重量 | 83.5g | 33.7g |
材質 | ガラス | 樹脂 |
H&Yのフィルターにはフレームがあるため、両者の外観は大きく異なります。
これはH&Y独自の特徴なのでさておき、ND部分の色が違うのがわかりますよね。
どちらもND8ですから濃度は同じです。
これによる違いが写真に出てきますので、後ほど触れたいと思います。
フィルター比較② 画質
画質は最も気になる部分のひとつでしょう。
- フィルターなし
- H&Y
- 激安
で比較してみました。
激安が圧倒的に解像度が落ちるかなぁと想像していたのですが、正直、さほど差が出ませんでした。
写真右側のNDが効いている部分を、限界まで拡大してみました。
「え?解像度が落ちるどころか激安の方が良いじゃん」
というぐらいの結果に。
次はNDが効いていない右下部分の超拡大写真。
このレベルでほとんど差が出ないので、もう全く変わらないと言っても差し支えがないほどです。当初、激安フィルターは、ガラスと違って少し曇ったような感じになるのかと想像していましたが、解像度はさほど変わらないという結果に。
光の強さや天候など、状況によっても変わると思いますが、この日以外にも何度も比較実験をしていて、概ね同じ結果でした。
画質の比較結果:ほぼ変わらない。
フィルター比較③ ゴースト・ハレーション
左:H&Yフィルター 右:激安フィルター
どちらも左下にゴーストが発生しているのがわかると思います。
そして、激安フィルターだけが右上の方にもゴーストが出ています。
原因はこれ。ホコリが付着しやすいのが激安フィルターです。
「取ればいいじゃん」と思うかもしれませんが、取ってもいつのまにかまた付いてしまいます。
写真ではわかりにくいですが細かい傷もあります。
この写真がわかりやすいですが、そもそも激安フィルターは反射しやすいです。
それゆえ、ゴミやホコリ、傷があると写真に影響が出やすくなる。
これらの条件が重なり、最初の写真では激安フィルターのみがゴースト発生してしまったんですね。
ゴースト・ハレーションの比較結果:激安フィルターはゴーストが発生しやすい
フィルター比較④色被り
H&Yはやや黄色に、激安は赤っぽく色被りします。
もうこの時点で明らかに現実の色味と違うのがわかりますよね。
コーティングの質による差だと思われますが、ガラスと樹脂という点も少なからず影響しているかもしれません。
この場面は朝日の時間帯ですので、黄色味の光が強い状況です。それを考えると激安フィルターはだいぶ赤に転んでいますね。
ちなみに以前、KANIと激安(今回と同じもの)を比較したことがありますので、ご覧ください。↓
やはり、激安は赤の「色被り」が顕著でした。
何度も実験していますが、毎回、同じ結果になります。ハーフNDに限らず、丸型のNDフィルターや、可変式NDフィルターでも同じで、激安フィルターは総じて色かぶりが大きいです。今回のKiowonに限りません。
実際のところ、RAWで撮影すれば、あとから補正可能ではあります。
でも、
- 自分のイメージと違う画像が出力される
- 現像の工程が増えてしまう
ということのストレスが大きいと思います。
色被りの比較結果:激安は顕著に色被りする。ちなみに僕にはこの色かぶりがめちゃくちゃストレスです。
フィルター比較⑤ 扱いやすさ・耐久性
上がH&Yと激安、下がKANIと激安の比較です。
反射については先ほど触れたので割愛しますが、下の激安では、右側には「擦り傷」が、下には「指紋の汚れ」がベッタリついているのがわかるかと思います。
高級フィルターではこんな傷はほぼ付かないです。
指紋も付きにくく、付いてもサッと取れますが、激安は指紋がつきやすく、拭くと伸びやすいです。
ハーフNDフィルターを使うときは基本、朝夕です。この時間帯は秒単位で景色が変化していくので、カメラマンはとても忙しいですよね。
こんなときにフィルターの汚れに時間を使ってる暇はないのです。これが意外と大きなストレスになり、シャッターチャンスを逃すことにも繋がります。
あとは、高級フィルターは基本的にガラス製なので、落としたりぶつけたりすると割れる危険性がありますが、H&Yはゴリラガラスを採用していますので割れにも強いです。
Kiowonは樹脂製なので、こちらも割れには強いです。
どちらが長く使えるかという耐久性の観点でいうと、「ガラス」です。
割れやすさから考えると樹脂の方が長く使えそうですが、樹脂は「傷がつきやすい」という「致命的なデメリット」があります。
聞いた話ですが、プロの方で樹脂製のハーフNDを使ったところ、砂が当たって傷がつき、光が乱反射してしまった事例があるそうです。当然フレアやゴーストが発生しやすくなります。
しかも初回の使用でそんなことになり、一回でフィルターがダメになったそうです。
アスファルトに落としても割れないのはメリットですが、傷がつくとフィルターとしての性能が十分に発揮できなくなります。
扱いやすさ・耐久性の比較結果:トータルで考えると断然「ガラス」に軍配が上がりますね。
総合評価
商品 | H&Y | Kiowon |
---|---|---|
指紋・汚れ | 取りやすい | 付きにくい取りにくい (伸びやすい) | 付きやすい
傷 | 付きにくい | 付きやすい |
割れ | ゴリラガラス | 樹脂 |
耐久性 | ガラス製は強い | 傷がついたらアウト |
価格 | 高級 26,980円 | 安っ! 2,399円 |
総合 |
ということで、いろいろと比較してきました。
画質であまり差が出なかったのは意外でしたが、ゴーストや色かぶり、扱いやすさ、耐久性ではガラスが良いと結論付けました。
「本当に低予算で、ハーフNDがどんなものか使ってみたい」という人は激安樹脂フィルターでいいかもしれませんが、長く運用していくならガラスがおすすめです。
最大のハードルは価格ですが、ハーフNDフィルターを使うと、明らかに撮れる写真が変わります。
最初は高いなと思いましたが、今はそれだけの価値はあると思っています。カメラやレンズと同じように、極めて重要な機材への必要投資と考えています。
これからハーフNDデビューの初心者には、「H&Y K-Series Basic Set」 がおすすめです。詳細な記事も書いており、H&Y製品を安く購入できるクーポンコードも発行していますので、参考にしてください。
激安フィルターを体験してみて
本記事では、「安いハーフNDフィルターと高級ハーフNDフィルターの比較」をしてみました。
なぜこの比較をしたかというと、
「この価格の差はなんなのか?」
という純粋な疑問があったからです。僕はそんなにブランド志向が強くないので、「価格が安くてもある程度性能が良ければそれを使えばいいじゃん。」と思う派です。
そのためには、思い込みや固定概念は捨てて、実際に比較してみることが大切です。「みんなが良いって言ってるから、これは良いものに違いない。」と、情報を鵜呑みにしては物事を見誤ると思っているので。
そんなこんなで比較実験をしてみましたが、やはりやってみないとわからないことがありました。こういうのって、「めんどくさいけど、やってよかったな。」と毎回思いますが、今回もそうでした^^
実際に比較したという経験をもとに「確信を持って」今後のフィルターワークや写真活動における選択や意思決定ができるからです。
F値なども、こういう場合はF9がいいよ。F16がいいよ。迷ったときは11にしとけばいいよ。とかいろいろ言われますが、自分で比較実験したことがありますか?と聞かれると、おそらくほとんどの人がないと思います。
僕はF4〜32まで、一段ずつ撮影して比較したことがあります。すると、このレンズはこういう環境でこう撮りたいなら最適なF値は22だろう。とか、ここは14。とか、自分の中で根拠ある答えを導き出せるんですよね。
確信を持って14に設定して撮ることができるんです。他人軸ではなく自分軸で行動できる。これってめちゃくちゃ大事なことです。
というわけで、今後もこういった比較実験を行い、記事にできればと思っています。ただ、めっちゃめんどくさいので頻繁にはできませんが。笑
「実験、大事です」っていうお話です。
で、激安フィルターの話になりますが、ぶっちゃけ、H&Yなどの高級フィルターを使ってしまうと、安いものは使う気になれないです。
「まだハーフNDフィルターを一度も使ったことがない」という人が、ハーフNDがどんなものなのか、試しに使うのに購入するなら良いかと思います。経験は大事ですから。
その後、H&YやKANIなどに移行したとしても、おそらく最初のうちは手持ちのフィルターが1枚しかないという状況になると思います。1枚じゃ減光しきれないときに激安フィルターを重ねれば有効利用できますしね。
実際に僕も重ね用途で使ったことはありますから。
参考になれば幸いです。
「高級フィルターと激安フィルター比較」まとめ
商品 | H&Y | Kiowon |
---|---|---|
指紋・汚れ | 取りやすい | 付きにくい取りにくい (伸びやすい) | 付きやすい
傷 | 付きにくい | 付きやすい |
割れ | ゴリラガラス | 樹脂 |
耐久性 | ガラス製は強い | 傷がついたらアウト |
価格 | 高級 26,980円 | 安っ! 2,399円 |
総合 |
いかがでしたか?
激安フィルターと高級フィルター(H&Y)の違いがわかる内容だったかと思います。
ぜひ、今後の写真活動に役立ててください。
この記事があなたのお役に立てれば嬉しいです。
では、また(´∀`)ノ
tomoki (tomoki_hy)でした
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